緑の鮮やかなオクラの出荷が最盛期を迎えている。胃腸が弱りやすい時期に消化を助け、夏バテ対策にも効果的な食材として浸透してきた。
アフリカが原産地とされ、日本には江戸時代から明治にかけて伝来した。ビタミンやミネラル、カルシウムなどを豊富に含み、健康イメージから消費も伸びている。独特の粘りを生むのはペクチンと呼ばれる食物繊維で整腸作用がある。少し堅めで産毛がきれいに実を覆うようにはえた物が鮮度がよい。
現在は鹿児島や沖縄、高知県産が中心。JA鹿児島県経済連によると、作付面積は近年増加傾向にある。さらに「昨年は7月が低温で生育が低調だったが、今年は梅雨明けが早く出荷は順調」(同)という。東京都中央卸売市場への7月上旬から中旬の入荷量は前年比約5割増だ。
首都圏のスーパーでは約100グラム入りの袋が128円、特売時には98円前後と前年より3割ほど安く売られている。今後は群馬県など関東産も出回り、価格は安定した状態が続きそうだ。
2008/8/2 日経夕刊より