ナスが本格的に出回っている。ハウス栽培で一年中見かけるが、露地物は7〜9月が最盛期だ。淡白でさっぱりした味で、焼いたり煮たり、揚げ物など幅広い調理法に適した食材といえる。
原産地はインド東部とされ、日本には中国を経由して8世紀前後に伝わったとする説がある。古くから栽培され、各地で様々な品種に改良された。果実の大きさや形で、「小なす」「丸なす」「長なす」「大長なす」などに分類することが多い。
語源も諸説あるが、夏のヤサイなので「なつのみ」が「なすび」になまって、ナスとなったとの説が有力。持ってみて重くてハリがあれば、水分を多く含んでおいしい。ヘタのトゲがしっかりとした、新鮮なものを選びたい。
茨城県や栃木県など首都圏に近い産地では「7月に暑く、雨の量も多めで順調に育った」(卸会社)。7、8月の入荷量は増え、卸価格は東京都中央卸売市場で8月中旬、前年比5割安に。都内のスーパーでは5個入りが160円前後で売られている。
2008/8/30 日経夕刊より